
こんにちは!10月の北海道は、マチの街路樹が一斉に赤や黄色に染まり、山々からは初雪の便りも聞こえてくる季節ですね。朝晩の冷え込みが厳しくなり、家でストーブを点け始めると、「いよいよ長い冬が近づいてきたな」と身が引き締まる思いがします。それと同時に、秋の美味しい味覚が食卓を彩り、家の中でじっくりと読書や勉強に取り組むには最高の「学習の秋」がやってきました。
さて、2学期が始まって1ヶ月が過ぎ、子どもたちの勉強の様子はいかがでしょうか。「ねえ、これって次のテストに出る?」「出ないなら覚えたくないな」……そんなお子さんの口癖を聞いて、がっかりした経験はありませんか?多くの子どもたちにとって、特に理科や社会という科目は「ひたすら教科書の言葉を暗記するだけの、退屈な科目」になりがちです。歴史の年号、植物の名前、複雑な経済の仕組み。どれも机の上だけで完結している遠い世界の出来事のように見えてしまうのですね。
しかし、本当は全く逆なのです。理科や社会こそ、私たちが暮らしているこの現実世界、そしてここ「北海道のリアルな日常」とダイレクトに繋がっている、一番エキサイティングで面白い科目なのです。今回は、まだ新聞を購読していない、デジタル版も使っていないというご家庭に向けて、教科書の退屈な暗記を「面白い!」という知的な興奮に変えてしまう、ニュースを挟んだ学習法をご提案します。
例えば、お子さんが理科の授業で「生態系」や「食物連鎖」「プランクトン」といった単元を習っているとします。教科書に載っている魚の絵や矢印の図を見ているだけでは、ふーんで終わってしまいますよね。ここで、親御さんがスマホで「朝日新聞デジタル」を開き、北海道の地域面を検索してみるのです。すると、「海水温の上昇によって、北海道の沿岸で大規模な赤潮が発生し、ウニやサケが深刻な被害を受けている」という生々しいニュースが見つかります。
「大変だね」で終わらせず、お子さんにこう問いかけてみてください。「教科書に出てくるプランクトンが急に増えると、なんで私たちが大好きなウニやサケが死んじゃうんだろうね?」と。新聞記事には、水温の変化によって特定のプランクトンが異常繁殖し、魚のコケ(エラ)に詰まって窒息させてしまう仕組みや、漁師さんたちの悲痛な声、そして地球温暖化との関係が図解入りで詳しく解説されています。「あ!地球が温かくなると、巡り巡って大好きなイクラやウニが食卓から消えちゃうかもしれないんだ!」と気づいた瞬間、理科の教科書の退屈な図解が、自分の大好きな食べ物の未来を守るための「重要な鍵」へと大化けします。これこそが、知識が繋がる快感です。
次に社会科、特に中学生が苦手とする「公民」の経済分野です。「需要と供給のバランス」「円安・円高の影響」「市場価格の決定」……文字を見ただけで頭が痛くなりそうな言葉が並びます。これをドリルで丸暗記する前に、北海道の超リアルなニュースをぶつけてみましょう。いま、ニセコや札幌の観光地で「外国人観光客向けのラーメンが1杯3,000円、海鮮丼が5,000円で大繁盛している」というニュースが新聞で頻繁に取り上げられています。
「なんで1杯3,000円でもみんな買うと思う?」とお子さんとデジタル版の記事を覗き込んでみてください。そこには、円安によって外国人から見ると日本の物価が劇的に安く感じられること、世界中から「ニセコの極上の雪」を求めて富裕層が集まっていること(需要の爆発)が、分かりやすいデータや専門家のコメントと共に書かれています。「もし、雪が全然降らなくなったら、このラーメンの値段はどうなるかな?」と会話を広げれば、それはもう立派な経済学の授業です。教科書のグラフの意味が、ニセコのラーメンの価格を通して直感的に腑に落ちるのです。
ニュースを間に挟むメリットは、子どもが教科書を開いたときに「あ!これ、この前お父さんとニュースで見たやつだ!」という「アハ体験(ひらめき)」が生まれることにあります。人間は、一度自分の目で見て興味を持ったことなら、驚くほどスムーズに脳に吸収しますし、忘れません。「これ、テストに出る?」と聞いていた子が、「これって、あのニュースとどう関係しているの?」と自発的に調べるようになる。そんな自走する学力の種を、この秋、スマホの中にあるプロのニュースを使って、家庭の中で一緒にまいてみませんか?