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特集Vol.169

秋色に浸ろう 定山渓、今と昔の物語

公開:2018年9月18日

 札幌の中心部から約30キロ。定山渓温泉は言わずと知れた「札幌の奥座敷」だ。豊平川の川岸からわき出るお湯が、建ち並ぶホテルや旅館にふんだんに供給される。ナトリウム塩化物泉。透明で、なめるとしょっぱい。

特集「秋色に浸ろう 定山渓、今と昔の物語」の表紙の写真です


定山源泉公園の中に、定山渓温泉の開祖とされる美泉(みいずみ)定山の像が湯を浴びながら、足湯を楽しむ人たちを見つめている。流れ出る源泉に触れるときにはご注意を。熱くて手をつけていられない。この温度でふんだんにわき続けるお湯。これだけホテルが建ち並んでも、長い歴史の中でお湯が足りなくなったという話は聞いたことがない。自然の恵み、定山渓のパワーの源だ。

定山渓、今と昔の物語

昔の定山渓に触れてみる

 札幌の中心部から約30キロ。定山渓温泉は言わずと知れた「札幌の奥座敷」だ。豊平川の川岸からわき出るお湯が、建ち並ぶホテルや旅館にふんだんに供給される。ナトリウム塩化物泉。透明で、なめるとしょっぱい。

 今は、レンタカーで訪れる外国人観光客も多くなった温泉地も、かつては鉄道が通じ、職場の団体旅行でにぎわった。

 昔の定山渓に触れたくて、定山渓郷土博物館を訪ねた。国道230号沿いの定山渓小学校の敷地内にある。無人なので、近くの定山渓観光協会で無料でカードキーを借りて、入場する。訪れる人が多くないことは、キーの貸出簿を見れば明らかだ。

 建物入口にカードキーをかざし、入場する。自分で電気のスイッチを入れ、薄暗い室内がパッと明るくなると、定山渓鉄道が通っていた時代にタイムスリップしたかのような光景が目の前に現れた。駅の看板、古い農機具、ご飯のお櫃(ひつ)、製材用の大きなのこぎり。旅館の名前の入った番傘や印半纏(ばんてん)があった。かつて、定山渓駅前でくり広げられたであろう客引きの喧騒が聞こえてくるような錯覚に陥る。


定山渓郷土博物館の一角に定山渓鉄道のコーナーがある。当時使われていた駅名のハンコ。昔の駅舎で今も残っているのは、石山地区で地域の会館として使われている「石切山」駅だけである。博物館以外で鉄道の名残を見つけるのは難しいが、じょうてつバス「定山渓車庫前」の軟石でできた待合所の内側には、当時のレールがオブジェとして飾られている。

激動の時代を経て

 昔を知る人を訪ねた。中西博さん。昭和6年、樺太生まれ。現地で父が45歳で亡くなり、母の兄を頼って一家で札幌に引き上げる。その後中西さん自身は母の兄の養子となり、定山渓近くの豊羽鉱山付近に住んだ。まだ鉱山が操業していたころの話だ。戦火が激しくなり、千歳の海軍飛行場に勤労奉仕に行っているときに終戦。防空壕の中で玉音放送を聞いた。

 終戦後、日本の傷痍軍人の保養所としても定山渓は使われた。米軍に接収されたホテルもあった。

「米兵の捨てたタバコの吸い殻を、みんな拾って吸っていた。そんな時代だった」と語る。


定山渓観光協会提供の古い写真から。玉川橋の近くには屋形船まで浮かんだらしい。乗っているのは芸者さんだろうか。


ここからの眺めがいちばん好きだという中西博さん。戦時中から今までの定山渓の移り変わりを見てきた。

観楓会の時代

 昭和30年代以降の高度成長期、定山渓は秋の「観楓会」に代表される団体旅行でにぎわった。

 「満員の電車に乗って、客がぞろぞろ降りてきた。大手企業の団体客が多くて、それはにぎやかだったよ。芸者さんも250人くらいいた。玉川橋のところではボート遊びがあったよ」と中西さんは当時を振り返る。

 資料館の一角に、ボート遊びの写真が飾られていた。いつの時代だろう。ボートには丸まげの女性。芸者さんだろうか。屋形船らしき船も写っている。中西さんの子供のころ、定山渓小学校には300人くらいの生徒がいた。豊平川の河川敷には温泉のお湯を使ったプールがあり、冬でも泳げた。そのせいか、水泳の得意な子供が多く、定山渓からはいい選手がたくさん出たという。

 87歳の今も建設会社の会長として毎日会社に出る。長く定山渓の連合町内会長も務めた。 

 中西さんが定山渓でいちばん好きな場所、定山渓大橋の上に案内してもらった。橋の真ん中に立ち、川の上流方向を望む。

 「ホテルは建ったり壊したりでしょっちゅう変わるけど、ここからの山と川の眺めが好きなんだよなぁ。もう何年か経てば、眺めもがらっと変わるだろうなぁ」

 かつて屋形船の浮かんだ玉川橋近くは、今はカヌー遊びの場となった。


観光協会の行事宣伝部長を務める金川浩幸さん。企画に参加した「定山渓ネイチャールミナリエ」(下)は今年で3年目を迎えた。


提供:定山渓観光協会

湯の町の雰囲気を

 定山渓温泉街の中心部、国道から温泉街に降りていくカーブの道は「見返り坂」と呼ばれる。坂の途中、月見橋の手前に「定山源泉公園」がある。この地を温泉地として拓き、「定山渓」の名前の由来となった僧侶、美泉(みいずみ)定山の生誕200年を記念して2005年にオープンした。足湯があり、いつも観光客でにぎわいを見せる。

 当時の定山渓観光協会会長で、「ぬくもりの宿ふるかわ」の会長、古川善雄さんは「湯煙のあがる温泉街、人がぶらぶら歩く雰囲気を作りたかった」と語る。自身も定山渓で生まれ、育った。「ただホテルが建っているだけではつまらない。これからはリゾートとしての温泉宿を考えていきたい」と語る。

未来を見据えて

 源泉公園を出て坂を下り、月見橋を渡る。定山渓ホテルの角を左に曲がると「二見公園」に着く。午後6時、ここからさらに先の「二見吊橋」までの遊歩道沿いがライトアップされる。今年3年目を迎えた「定山渓ネイチャールミナリエ」だ。浴衣姿の観光客、カップル、家族連れが三々五々訪れる。

 観光協会の有志が中心となってスタートした企画だ。ホテル鹿の湯グループの常務取締役・金川浩幸さんは同協会の行事宣伝委員長も務める。

 「定山渓エリアは一言で括れないほどいろいろな要素がある。箱根と似ているかもしれません。雑多だけどエリア全体で強いブランド力がある。そんな地域になり得ると思います」。

 定山渓を広域に見れば、近くには泉源を別にする小金湯温泉、豊平峡温泉、薄別温泉がある。八剣山エリアでの遊び、果樹園もある。エリアにはおしゃれなカフェも増えてきた。今後この温泉地がどう変わっていくのか。楽しみだ。(文・写真 吉村卓也)


定山渓のおしゃれなカフェの草分け、「カフェ崖の上」。本当に崖の上に建つ。若い女性客も多い。紅葉の時期は絶景だろう。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください

ここからは特集に関連して会員の皆さんからよせられたコメントをご紹介します。

投稿テーマ『紅葉と言えば。』

秋近しです。
夏も終わり、あっという間に短い秋が。
私は道外出身なのですが、北海道の紅葉は見事!一味違います。
特に去年の紅葉は見事だったなぁ〜。今年はどうだろう。楽しみです。
「観楓会」という言葉、こちらに来て初めて知りました。昔は会社のみんなで出かける、とか多かったみたいですね。
紅葉の季節、どこに行きますか、どんな風に楽しんでますか?
どうぞお聞かせください!

北海道洞爺湖で温泉につかりながら紅葉を楽しみ、地元の食材に舌鼓これが一番・・・
ゆったりまったり温泉で心身のリフレッシュはいかがでしょうか・・・ (れみすけさん)

紅葉狩りです。(TERUさん)

基本 犬と一緒に楽しめるところがいいですね。
でも、ヒトが大勢のところは 犬が興奮してしまうので のんびり散歩ができそうな
公園などで十分です。(うさぎのダンスさん)

 『紅葉と言えば。』 温泉かな? のんびり、ゆったり、したいですね!!!(Kちゃんさん)

冬が近づく(チャンもえさん)

秋!(のりチャンさん)

 足が悪くなって、外出が不自由なりました。 今は、TVで紅葉を観るくらいです!(フクちゃんさん)

今は無くなりました。(おっつさん)

家の近くの公園を犬と散歩します。(やまみさん)

大通公園と北大の散歩
一人でのんびり歩きます
寒いくらいが心地よし(大和絹子さん)

 紅葉めぐり旅をしたいですね!!!(ユキちゃんさん)

中島公園の紅葉狩り、オススメです。
ボートからの景色も一段と美しいですよ。(かいくんママさん)

大雪山旭岳ロープウェイからの初秋の紅葉は最高です。
(satoruさん)

今年は大雪山の紅葉を見に行く予約をしました。11月には奈良へ・・・京都の紅葉も毎年見たい場所ですね。(ぽこおばさんさん)

北大いちょう並木が好きです。銀杏を拾いに来る人もいます。(ぽちさん)

北海道の紅葉といえば、昨年初めてみた大雪山のチングルマの真っ赤な山が印象的です。また行きたいところです。(akiさん)

毎年、秋は短くてあっという間に雪虫が飛び、初雪が降ってしまいます。
その頃は夏の疲れを癒すため、温泉に出かけることが多いので、道中の紅葉を楽しむ程度です。
あとは、テレビのニュースで山の紅葉具合を見て、冬が近いのを感じます。
北海道は四季がハッキリしているので楽しいです。(ももこ3さん)

十勝から狩勝峠を超えて、富良野市市街に入る手前の「メロン」で有名な山部地区あたりから見る紅葉は、最高です、大雪山系の山々の紅葉は絶景です。
(ふーこさん)

毎年秋は物悲しい季節、日は短くなり、朝夕は寒くなりとで、読書を楽しみます。何度も読んでる本でも、また読むたびに違う気持ちで読みすすむ。(tennmariさん)

結婚前は層雲峡へ、その圧倒的な景色が好きで特別なご褒美でした。子供が出来てからは自分自身が子供の頃、親の紅葉狩りに付き合うのが退屈だったので躊躇していましたが、だいぶ子供も大きくなり、自然も好きな子に育っているので今年は近場の定山渓の紅葉を見て、温泉と食事も出来たら嬉しいなと考えています。(ゆずさん)

特別どこかに行く予定はないですが、街中で紅葉を見るのを楽しみにしています。特に雨上がりの水たまりに紅葉が浮かんでいる様子は風情があって大好きです。いつか紅葉の時期の京都にも足を運んでみたいです。(maiさん)

藻岩山に行く。(とらふくさん)

温泉ですね。(キャボさんさん)

定山渓です。お風呂につかりながら、紅葉を見るのはとても気持ちが良いです。(ライオン丸さん)

定山渓辺りから中山峠に行くまでの景色が大好きです。(あぁさん)

私は毎年家族で定山渓の紅葉をドライブがてら見に行くのが恒例行事です。
外でブルーシートを敷いて、母が作ったおにぎりをお昼に食べる時間が大好きです。(みさとさん)

先日、夫がめでたく古希を迎えましたので記念に秋のニセコ連峰・神仙沼の紅葉を楽しみむため沼辺歩きに出かけたいと思っています。(HIDAMARIさん)

こんにちは。四季を堪能できる北海道に住んでいることを有意義にとらえていて毎年家族でドライブがてら紅葉を見に行っています。わが家は高齢者世帯なのでいつまで車を運転できるのか経済的に持っていられるか不安な面は隠しきれませんが、定山渓はありきたりですがお奨めです。しかし1年なんて早いものですね。(トーボさん)

難病で行けない(涙)(ヨコタンさん)

美瑛の白金温泉に大雪山系の旭岳に行き帰りは富良野経由で景色を眺めます(Minamiさん)

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