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特集Vol.177

春です、朝はおいしい卵の目玉焼きから。

公開:2019年5月20日

<p> パッと目立ってわかりやすいのが人気者。これは卵の世界も同じらしい。店の卵売場で聞くと、赤玉で味の濃い卵がよく売れるそうだ。そんな中に「あっさりうまい」卵があると聞いて、道北の下川町へ会いに行った。</p> <p> 札幌から約220km、車で3時間と少し。山を遠く見渡す平原に田んぼや小麦畑が広がり、空気が冷たく澄んできた頃、下川町に入った。資源循環を厳しく評価する「森林認証」を取得した、森の町。人口約3300人のこの町にあべ養鶏場が創業したのは1962年だ。半世紀以上前、夏と冬の寒暖差60度にもなる気候に合う鶏種探しから始めたという。天然原料を発酵させる餌で飼うことから、卵は酵素卵と呼ばれていた。2016年にこの養鶏場を事業継承し、「下川六○(ロクマル)酵素卵」として販売しているのが現営業部長の村上範英さん。前職は飲食会社のバイヤーで、この卵に惚れ込んだ張本人だ。</p>

特集「春です、朝はおいしい卵の目玉焼きから。」の表紙の写真です

寒暖差60度から生まれる卵。
はじめあっさり、うま味の余韻
あべ養鶏場 下川町

あべ養鶏場。
白身の癖の無さがわかるのが卵かけご飯。あつあつのご飯をちょっとくぼませて、「ロクマル」をぽとり。ほんのり甘い黄身を楽しむには、醤油は少なめがいい。

 パッと目立ってわかりやすいのが人気者。これは卵の世界も同じらしい。店の卵売場で聞くと、赤玉で味の濃い卵がよく売れるそうだ。そんな中に「あっさりうまい」卵があると聞いて、道北の下川町へ会いに行った。

外食バイヤーが見込んだ卵

 札幌から約220km、車で3時間と少し。山を遠く見渡す平原に田んぼや小麦畑が広がり、空気が冷たく澄んできた頃、下川町に入った。資源循環を厳しく評価する「森林認証」を取得した、森の町。人口約3300人のこの町にあべ養鶏場が創業したのは1962年だ。半世紀以上前、夏と冬の寒暖差60度にもなる気候に合う鶏種探しから始めたという。天然原料を発酵させる餌で飼うことから、卵は酵素卵と呼ばれていた。2016年にこの養鶏場を事業継承し、「下川六○(ロクマル)酵素卵」として販売しているのが現営業部長の村上範英さん。前職は飲食会社のバイヤーで、この卵に惚れ込んだ張本人だ。

 農場の眺めは広い。環境と景観を大切にする町らしく、視界を遮る電柱一本ない。卵の選別場と隣り合わせの事務所で、村上さんが迎えてくれた。「うちの卵は、強烈なおいしさではないんです。飲み込んでからもじんわりうまさが続くいい味だと思うんですが、なかなか伝わらなくて…」と言う。だが事実、ここの卵は地元近郊で半世紀以上選ばれ続けている。

あべ養鶏場。
あべ養鶏場で、卵と向き合う3人の男達に会った。左から、プリンコンサルタントの濱口竜平さん、あべ養鶏場営業部長・村上範英さん、生産部部長の能藤一夫さん。養鶏場のある下川町内に加工場を作ったのはこの冬。朝採れ卵をすぐに加工できるようになった。

寒さを生き抜く、健康な鶏づくり

 農場を歩きながら、話を聞いた。「うちの鶏種は寒さに強いソニア種。卵の色はご覧のとおり淡いピンクです。鶏の飼い方は、創業者から受け継いだ方法に改良を加えています。気温差60度の厳しい気候を生き抜いてくれるようにと、鶏の健康を第一に作り上げた方法です」という。「例えば、餌の色によって卵黄の色は変わりますが、うちでは卵そのものを変えるために何かをすることはありません」。納屋で混ぜ合わせて作っている餌を鼻に近づけると、新しい米ぬかの匂いがして、ちょっと香ばしい。原料は米ぬか、トウモロコシ、牡蠣殻、カニ殼、下川町の炭などだ。「卵は雛の誕生のための栄養バランスが整っています。それを変えるのは無理だし、何かしようとすれば鶏に無理をかけかねません」と村上さん。衛生上と安全のため鶏舎に窓はないが、鶏は常に人の目で管理され、ゆったりと清潔な環境で外の風を呼吸しながら卵を産み、一般的な養鶏場の鶏より長生きする。

 実際に卵かけご飯にしてみた。まず卵を割った時に感じる白身の臭みがない。ないものを気づくと言うのも変だけれど、普段ちょっとだけ気になっていた卵臭さがないのだ。黄身のほうは明るいレモンイエロー色で、うまみを感じる。後味に、ほんのり甘みも感じる。ねばつきがなく、食後に口をすすぎたくならない。火を入れてみると、余計に雑味のなさが際立つ。これなら、合わせる食材のおいしさを増幅させるに違いない。「トリュフの芳香を加えた塩で食べるTKG(卵かけご飯)が流行っていますが、うちの卵だと香りが最高に広がりますよ!」。元外食バイヤーの村上さんが言うと、いかにもおいしそうだ。

おいしい匂いのする自家配合餌は、下川町産の木炭入り。卵殻のもとになる(そして鶏の消化器にも欠かせない)カルシウム分はカニや牡蠣の殻を与える。
おいしい匂いのする自家配合餌は、下川町産の木炭入り。卵殻のもとになる(そして鶏の消化器にも欠かせない)カルシウム分はカニや牡蠣の殻を与える。

「究極の」より「食べて心地よい」

 その村上さんをしても、この卵の優しいけれど確かなおいしさを伝えるのは難しい。そこで、味覚センサーによる分析評価を得意とする「味香り戦略研究所」に依頼して他社のブランド卵8種との比較を行ったところ、面白いデータが取れた。「9種のうち、うまみの持続時間が最も長かったんです」。データを比較検討した結果、卵の味わいには色々なタイプがあることがはっきりした。人間の感じるうまみのインパクトをグラフにすると、六○酵素卵は中ぐらいのうまみが長く続く線形を描く。この試験によって、村上さんたちには、加工品にも味の特徴を生かすというテーマが見えてきた。

 説明を受けながら農場から戻ると、2人の男性が待っていた。1人は生産部部長の能藤一夫さん。農場とは別の場所に加工場があり、ピンクの卵を茹でて燻製にしている。「電位を利用した浸透法で、黄身の中までほんのり塩味を浸透させます。燻製も温燻でなく、冷たい煙を使う冷燻で、焦げ臭のない香ばしさに仕上げます。」

プリンの達人に聞く、六○酵素卵の魅力

 もう1人は、株式会社無垢(東京)の代表、濱口竜平さんだ。濱口さんは世田谷区奥沢でプリン専門店を営むかたわら、ご当地プリンのコンサルタントとして飛び回る、人呼んで“プリンマン”。村上さんの依頼で、4月に落成したプリン加工場のために新しいレシピを提案中なのだ。「仕事で20ヶ所以上の養鶏場に伺って卵を食べてきましたが、この卵はちょっと特別」という。前出の分析の補助データにより、卵黄の甘みが他のブランドより強いこともわかった。「食べた時の印象と数値が一致したことで、ロクマルの良さに納得しました。まず、濃厚な生クリームタイプでは乳製品の良さが前面に出る。一方で卵黄たっぷりの、卵の素直さを主役にした配合も提案しました」。選ばれたプリンは、今月新発売となったばかりだ。

燻製器に入れるため、卵をラックに並べる。約30分、下川町の森の木のチップを使って燻す。
燻製器に入れるため、卵をラックに並べる。約30分、下川町の森の木のチップを使って燻す。

 毎日のように食べる卵は、おいしいほうがいい。けれど、食べ疲れない味はもっといい。その上、家で作る卵料理が簡単においしくなれば、最高だ。何事も過剰なこの時代、そんな「ほどよくおいしい卵」は案外貴重なのかもしれない。

あべ養鶏所
北海道上川郡下川町班渓1386番地
TEL 01655-6-7766
http://www.abe-youkei.com/

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください

ここからは特集に関連して会員の皆さんからよせられたコメントをご紹介します。

投稿テーマ『タマゴ、食べてますか?』

 どの家のキッチンにも必ずあるタマゴ。切らすと困るタマゴ。スーパーに行けば安売りの目玉になるものから、ちょっとこだわりのものまで種類も豊富。そんなとき、どんなタマゴを選んでいますか?
 そういえば昔は、ニワトリを飼っていた家も多かったような。近所からコケコッコーの声が聞こえたのはずいぶん遠い日のことかなぁ。
 お料理に、お菓子作りに、無くてはならないタマゴ。タマゴの美味しい食べ方、タマゴの思い出、ぜひお聞かせください!

安い(アンドウさんさん)

45年位前タマゴは養鶏場に買いに行かされた思い出が蘇りました。
五百円位でカゴにいっぱい買えたはず。
養鶏場に行く度、生まれたての温かいタマゴに触り幸せな気分になったものです。
家路は、落とさないよに、転ばないように慎重に慎重に歩いた事を思い出しました。
新鮮タマゴ、新鮮牛乳は農家で買えたっけ!
そんな田舎で育ててもらったんですねー
有難い時代でした。(フジモニさん)

父親に作ってもらった唯一の料理が生卵です。醤油を入れてかきまぜるだけですが。(7091Maxさん)

ウチは煮物料理をよく作るのですが、その度にゆで卵を入れて煮卵にしています。(タコ天さん)

同棲中の彼女が毎朝お弁当を作ってくれます。
その中には必ず卵焼きが。
毎回違った隠し味で、同じ卵焼きなど一度もありません。
そんな彼女に感謝しつつ、いろんなバリエーションで楽しませてくれる卵にも感謝感謝の毎日です。(キヨシロウさん)

ねぎの玉子焼きが大好き(oooうさぎoooさん)

子供のころ好き嫌いが多く卵料理を毎日食べていました
母が作るだし巻き卵が大好きでした(みちさん)

最近おいしいなあと思うのは、シンプルな(黄身がとろとろの)ゆで卵。
好みの塩粒をいくつか落としてそのままガブリ。素材勝負ですね。(にゃあさん)

卵掛けご飯が好き過ぎて大体朝ご飯に食べてます。(おのっちさん)

ゆで卵が大好き!スクランブルエッグを
毎朝食べてます。(マンゴーさん)

はい
玉子焼き(カワサキさん)

200円以下の卵(たまさん)

ミートリックスの動画を見るくらいには意識があるけど、値段に負けて特売の卵ばっかり買ってるのが悔しい!(鱧川鯛三さん)

ゆでたまごにマヨネーズこれ最強(たばちさん)

卵かけご飯。海外在住の家族が帰ってきた時は、必ず食べる!リストの一番上にのっています。(れいさん)

卵がけご飯の卵はスーパーのものではなく、直売所で購入してます。(ときめきさん)

ポーチドエッグをなかなか綺麗に作るできません。いろいろと試していますが失敗ばかりが多いです。(ヨコ母さんさん)

茶碗蒸しが好きです。(不良中年さん)

タマゴ掛けご飯、茹で卵、タマゴサンド、プリンや茶わん蒸しも好きです。幅広い料理が有りますね。(きなこもちさん)

何といっても『卵かけご飯』が最高の卵を楽しめます。(ジュンさん)

今は亡き母に作ってもらった卵焼き、だしが効いてて絶妙においしかった。
毎朝のお弁当に必ず入っていて、その時はそんなに思わなかったけど、自分が母になって毎朝子供のお弁当を作ると思い出す。(ナナさん)

半熟ゆで卵が好きです(め組さん)

26年前ネパールにトレッキングに行った時、高山病のせいで食欲が全くなくなったが、村の食堂で食べた卵焼きが本当に美味しかった。きっとヒマラヤの空気を吸い放し飼いで飼われていたノンストレスの親鳥が生んだ卵だったせいだと思う。(こたくんさん)

古い卵サンドを食べて、おなかの調子が悪くなったことがある。(おあしさん)

シンプルに、ゆで卵です(うさぎさん)

卵は毎日食べています。味付きゆで卵にして保存して食べたり、適当な具がない時はお味噌汁にふんわりと入れています。(みーやんさん)

味噌に漬け込む(しじみ課長さん)

おばさんが作った茶碗蒸し!うまかったなあ~~(daisukineriさん)

カレーでもサラダでも半熟ゆで卵にしてます。とろっとした黄身で美味しさアップです!(りょうこさん)

思い出は昔母が高校の弁当に手作りの卵焼きを作って入れてくれたことです。
味付けは塩だけというシンプルなものでしたがとてもおいしく毎日お昼ごはんが楽しみでした。
今ではとてもいい思い出です!(ぐーすけさん)

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