夏休みのスポーツ系部活動で最も注目を集めるのが甲子園の高校野球なら、文科系のイベントは全日本吹奏楽コンクールだろう。全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社の主催で毎年行われている大会だ。全国大会は秋だが、8月には地区大会が開かれる。北海道では、北海道吹奏楽連盟と朝日新聞社の主催で、小学生、中学、高校、大学、職場・一般のカテゴリーで「第70回北海道吹奏楽コンクール」が8月28日から31日まで、札幌コンサートホールKitaraで開かれる。

夏休みのスポーツ系部活動で最も注目を集めるのが甲子園の高校野球なら、文科系のイベントは全日本吹奏楽コンクールだろう。全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社の主催で毎年行われている大会だ。全国大会は秋だが、8月には地区大会が開かれる。北海道では、北海道吹奏楽連盟と朝日新聞社の主催で、小学生、中学、高校、大学、職場・一般のカテゴリーで「第70回北海道吹奏楽コンクール」が8月28日から31日まで、札幌コンサートホールKitaraで開かれる。
北海道吹奏楽連盟には788の団体が加入しており、吹奏楽の裾野はなかなか広い。コンクールを前に、各団体の吹奏楽部は準備に余念がない。コンクールが近づくにつれて出場校の緊張が高まっていくのに呼応するかのように、その仕事がピークを迎えるのが裏方である楽器店だ。札幌市手稲区にある三響楽器は北海道の地場の楽器店としては最王手の老舗だ。
店内に入ると、吹奏楽でよく見る金色に輝く楽器がずらりと並んでいる。サックス、トランペット、トロンボーン、ホルン、フルート。黒いのはクラリネットだ。大きなファゴットや、バリトンサックスは迫力がある。小さな物では木管楽器のリード(振動する薄い木の板)や、打楽器のバチ、メトロノーム、タンバリン、シンバルなども。大きなものだとマリンバやドラムもある。
店内のカウンターで、受話器をあごに挟んで電話対応しながら、大きなバリトンサックスと「格闘」していたのは、同店の小梁川(こやながわ)匠さんだ。20人いる従業員のうち、5人が「リペアマン」と呼ばれる楽器の修理やメンテナンスを扱う専門家。小梁川さんはそのリペアマンの中でも約35年の経験を持つベテランだ。
分解した楽器の金属の管の中に小さなライトをすべり込ませ、穴(音孔)から光が漏れないかをチェックしている。大きな楽器だから指で穴をふさげないので、タンポといわれるフタがその役割をする。少しでもここに隙間があると音が出ない。傷んだタンポを剥がし、接着剤を熱で溶かして、新しいタンポを貼り直す。古い楽器の場合はパーツもないので、何とか手に入るものを駆使して処理するという。
机の上は、分解された楽器のパーツや大小さまざまな工具で埋め尽くされており、机の後ろの棚には修理を待つ楽器が黒いケースに入ってずらりと並んでいる。小梁川さんの席はカウンターを挟んでお客さんと対話ができる場所にあり、時にはお客さんと話をしながら、手が止まることはない。

隣ではクラリネットがばらばらに分解されて、銀色の金属パーツがきれいに磨かれていた。担当していたのは、リペアを担当して4年目の種市泉水(いずみ)さん。吹奏楽部に所属していたときは打楽器を担当していたが、学校に来てすぐに直してくれるリペアマンや、困ったときに駆けつけてくれる姿にあこがれ、この世界に入った。リペアを学校で勉強していた時代は「ひたすら楽器を分解して組み直す、みたいな練習をしていました」という。この仕事で大切なものは?「考える力、かな。問題はどこにあるのか、何で不具合が起きているのか、自分が経験したことのないことに直面したときに、それを考える事が大事だと感じています。日々勉強です」という。
店で待っているだけがリペアマンの仕事ではない。道内の吹奏楽部のある学校に出張修理に出向く。5人のリペアマンのうち、ひとりで修理に出向けるのは4人。「一人前になるのに最低5年はかかる」と小梁川さんは言う。「いろいろな楽器を扱わないといけないので、どんな楽器が来ても一通りわかるようになるには結構年月がかかるんです」。
リペアマンは自身も演奏者であることがほとんどで、小梁川さんもトランペットを吹く。小学校のときのエレクトーンが音楽に接した始まり。野球もやっていたが、当時流行っていた音楽グループ「チェッカーズ」のメンバーがサックスをやっていて、その影響で自分もやってみたくなり、吹奏楽部に入った。中学・高校の吹奏楽部ではサックスを担当。その後、音楽を仕事にしたいという気持ちが強くなり、当時埼玉県にあった(現在は静岡県)「ヤマハ管楽器テクニカルアカデミー」に通い、技術を身につけた。音楽の道に進もうと思ったきっかけは高校のときに出会った顧問の先生によるところが大きいという。
「コンクールなのでどうしても勝ち負けになりがちなんですが、勝負じゃなくて音楽の楽しさを教えてくれる先生でした。その先生がいなければ野球の方をやっていたかもしれません」と当時を振り返る。
楽器の修理はもちろんだが、時には吹奏楽部員の相談相手にもなる。「思った音が出ないとか、うまくいっていないときは楽器のせいにしたくなるときもあるんですよ。そのせいで体調も悪くなったり。持ち込まれた楽器に悪いところがない。でもプレッシャーに負けちゃってふだんできることができない。そんなときはゆっくり話して、吹いてみて、うまくいくとそこで復活したりします。やっぱりベストコンディションでステージに上がってもらいたいですからね」と話す。
訪れたのは7月中旬。十分忙しそうに見えたが「コンクールが近づくにつれ、もっと忙しくなるんですよ」と話す。預かって修理して送り出した楽器が、コンクールのステージで音楽を奏でる。大会のときは演奏を聴きに行くのだろうか。
「いえいえ。何があっても駆けつけられるように、常にスタンバイですよ。移動中にぶつけてしまうとか、とてもよくあるので」と話してくれた。
店にはもちろん楽器を買いに来るお客さんもいる。店には6つの防音スタジオがあり、実際に希望の楽器を吹いて確かめることができる。フロアの担当者は、お客さんの要望を細かく聞きながら楽器の提案をする。金属の色も、音色も微妙に違う。高価な買い物のため買う方も納得がいくまで吟味する。訪れた日も、吹奏楽部の生徒さんがホルン選びに訪れていた。いくつかの楽器を何度も吹き比べ、「ぴったりの楽器に出会えたかも!」と満足そうだった。

コンクールの中学、高校の部は、A編成が一番大きくて36人以上。中学、高校の部にはそれより小さい、B、C編成がある。学校の吹奏楽部は顧問の先生が指導するのが一般的だが、指導者不足や先生の負担を減らすため、また、部活動の地域移行の流れもあり、文科省が2017年に制度化したのが「部活動指導員」の配置だ。「中学校におけるスポーツ、文化、科学等に関する教育活動に係る技術的な指導に従事する」と定義されている。
プロのサックス奏者で札幌在住の西村彰紘さんもその1人。現在市内の中学校で週4〜5日、放課後に吹奏楽部の指導を行っている。中学校の吹奏楽部は初心者がほとんどだ。西村さん自身も、楽器を始めたのは中学校に入ってから。神奈川県の公立中学校を経て、引っ越しで札幌へ。高校は吹奏楽の強豪校である東海大学付属第四高校(現東海大学付属札幌高校)へ。全国大会銀賞の経験を持つ。卒業後は音楽大学に進み、プロの演奏家の道を選んだ。
部活指導員の場合、顧問の先生もいるにはいるが、部活の指導はすべて任される。顧問の先生が指導できる学校ならば部活指導員は配置されない。

いちばん多い相談は「いい音が出ない」、だという。「私も中学校で初めて楽器に触れたので、その気持ちがわかります。技術的な問題は口の開けかたや、リード(木管楽器の吹き口にある薄い板)が合っていないとかのアドバイス。あとは精神的なもの。『いい音』のイメージができていないと何が『いい音』なのかわからない。メロディーをひとつ私が吹いてみて、音のイメージをつかませるような指導もしています」。
今の中学校の部活指導は知り合いの演奏家からの話だった。「指導者がいなくて部活がつぶれるくらいならやってみようかな」と引き受けた。西村さんは部活指導の他にも、自身の演奏活動や個人レッスン、また、札幌で吹奏楽の啓発活動や指導のサポートなどを目的に設立されたNPO法人BRASS-AIDの理事も務める。日頃クラシック音楽に触れることの少ない層に生の演奏を届けるために、仲間のプロ演奏家と共にさまざまな活動を繰り広げている。
8月下旬から北海道大会が始まる。音楽の舞台に関わる多くの人たちに支えられ、吹奏楽の季節が始まる。
(文・写真:吉村卓也)
小学生、中学校、高等学校、大学、職場・一般の区分がある。
①地区大会(支部大会)7月下旬〜8月上旬
北海道をいくつかの「地区」に分けて実施
上位団体が北海道大会へ進出
※中学・高校の部は「A編成(大編成)」、より小さい「B編成」「C編成」がある。
A編成では課題曲と自由曲の2曲演奏。BC編成は自由曲のみ。
② 北海道大会 地区大会の代表が出場
ここで 金賞・銀賞・銅賞が決まり、全国大会や東日本大会への推薦団体が決まる。
8月28日(高校C、A)29日(中学C、B)30日(中学A、高校B、大学小編成)
31日(小学生、職場・一般小編成、大学、職場・一般)会場:札幌コンサートホールKitara 大ホール
③ 全国大会(全日本吹奏楽コンクール本選)
北海道・東北・関東・東海・関西・中国・四国・九州から代表が集結
審査は金賞・銀賞・銅賞の3段階(順位づけはしない)
10月18〜19日 中学、高校の部会場:宇都宮市文化会館
10月25〜26日 大学、職場・一般の部会場:りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
夏ですね〜。北海道も暑くなりました。
夏休みでもあるためか、いろいろなイベントでにぎわいますね〜。
なんたって夏まつりや、花火、お盆の行事。大阪では万博が開催中、そして甲子園では高校野球も。
この時期、必ず帰省したり、旅行したりする方も多いのではないでしょうか。
夏といえばこれ!と楽しみにしている行事やイベントはありますか?
あなたの夏のお話、ぜひお聞かせください!
ハプニングのある旅のほうが思い出としては強く残りますよね(H)
徒歩で狩勝峠越えは超人的な体力だと思います!(H)
19ページ中1ページ目(556コメント中の30コメント)