
「え? 飛行機を使うの?」。帯広在住の私。昨冬、網走に流氷観光に行こうと、乗り換え案内サイトで公共交通機関のルート検索をして驚いた。
ヒグマの目撃情報が相次ぐこの時期、決まって思い出すのが、5年前、本島から20キロ以上を泳ぎ利尻島に渡ったあの若い雄のヒグマのことだ。当時は利尻島を担当する稚内支局長だった。
同郷の歌人石川啄木ゆかりの函館に赴任して、真っ先に行ってみたかった場所がある。立待岬にある一家の墓でも、代用教員を務めた小学校でもない。「乞食(こじき)」の供養塔だ。
ふとした街の風景を見落としていないか。運転に集中しなければいけない車や、トンネルを走り続ける地下鉄を使っていると、時折、そんなふうに思う。