ずっと気になっていた「伽倻子のために」のDVDを手に入れたのは、もう10年ほど前のこと。小栗康平監督と映画評論家・前田英樹氏の対談などを収録した書籍付きの豪華版セットだったが、「在日朝鮮人二世」という主人公の境遇に、どこかたじろぐ自分がいて、なかなか封を切ることができなかった。
函館を離れてもう15年が経つというのに、あの街のことが忘れられない。理由の一つは、函館出身の作家・佐藤泰志(1949‐90)の小説を読み続けているから。彼が生み出した物語の数々を、函館の人たちが映画化し続けているからだ。
「タイトルだけで、切なくも艶のある、あの独特な歌声がよみがえる。」とは、映画「ハナミズキ」(2010年、土井裕泰監督)を紹介した本コラム41回目(2022年5月号掲載)の書き出しだが、同じくヒット曲を軸にした映画「その人は昔」に、似たような感慨を抱く方もいらっしゃるのではないだろうか。
深瀬昌久(1934‒2012)という北海道ゆかりの写真家をご存じだろうか。道北の町・美深で2代続く写真館の長男として生まれるも、大学進学のため上京した後は戻らず、広告写真家として活躍。
大ヒット映画には続編やリメイクが付き物だが、同じ監督が30年近く経った後、同じテーマに再度取り組み、全く新しいオリジナル作品として世に送り出すのは珍しいのではないか。
イサム・ノグチは、20世紀を代表する芸術家として知られるが、北海道では札幌のアートパーク「モエレ沼公園」や大通公園の滑り台「ブラック・スライド・マントラ」をデザインした人物としてなじみ深い。
実に124本目の出演作という主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」が公開中の吉永小百合。今作の阪本順治監督と彼女が初めてタッグを組んだ作品が、「北のカナリアたち」だ。
美空ひばりが、ミュージカル映画の撮影で北海道を訪れていた! ということをご存じの方は、どのくらいいるのだろう。私はにわかに信じられなかった。この映画を観るまでは。
岩井俊二監督の映画「キリエのうた」は、北海道帯広も舞台の一つ。試写会では、主演のアイナ・ジ・エンドの歌声が印象的で、北海道の雪景色も美しい。イベント当日は岩井監督の登壇中止で残念だったが、映画の世界観は心に残った。
青函連絡船を舞台にした映画「白い悪魔」は、函館を舞台にした原田康子原作のメロドラマ。少女と養父の禁断の愛と、函館の街並みが描かれる。原作にはない青函連絡船が重要な役割を果たし、ラストシーンでも印象的に登場する。