朝日IDをお持ちの方はこちらから
AFCのログインIDをお持ちの方(2024年7月31日までにAFCに入会された方)はこちらから
新規入会はこちらから


2002年、当時の北海道報道部で取材指揮や紙面編集の責任を負うデスク(次長)5人の末席に連なっていた私は夏の高校野球を担当した。
主催新聞社にとって地区大会が始まる前に朝刊道内面で連載を構えるのは不文律だった。甲子園を夢みて白球を追った日々を胸に、同じ夢を追う選手たちを率いる指導者に焦点を当てた。連載のタイトルを決めあぐねた担当記者から相談され、頭に浮かんだのは、井上陽水さん作詞・作曲「少年時代」。歌い出しが「夏が過ぎ……」である名曲の一節「思い出のあとさき」をもじり、「夏のあとさき」という分かったような、分からないような題名を付けた。
かつて「くみし易い」と目された沖縄県勢は、1999年春の選抜大会を沖縄尚学が初制覇して以降、強豪に数えられていた。「躍進の秘密を探る」という、これまた訳の分かったような、分からないような連載企画も立て、別の記者を沖縄へ派遣して甲子園の開幕直前に掲載した。この記事とは1ミリも関係ないのは百も承知だが、北海道勢では春夏を通じて初めて、駒大苫小牧が全国制覇を果たしたのは翌々年、2004年夏のことである。
そのころの参加校は南・北北海道あわせて270校を超えたと記憶する。東・西に分かれる東京都を上回り、全国最多だった。ところが2019年、16年ぶりに札幌へ舞い戻ったら、200チームを割っていた。時代の流れとはいえ、寂しさを禁じ得ない。
一方で、新時代の到来を告げるニュースもあった。日本ハムファイターズの新本拠地エスコンフィールドHOKKAIDOが7月の南・北大会の決勝と準決勝の舞台になるという。私事にわたるが、6月に定年を迎え、北海道を離れる。熱戦の模様は、高校野球総合サイトのバーチャル高校野球でも中継される。新たな聖地となる新球場での選手たちの躍動を、北海道高校野球の1ファンとして楽しみにしている。
朝日新聞 北海道支社 記者 田中啓介