

8月に入って一週間ほどたつと「立秋」を迎えます。秋というには、まだまだ暑さの厳しい日が多い時期ですが、郊外ではススキを見かけるようになり、街の中でも、行き交うトンボが季節のうつろいを知らせてくれます。
春の第一陣を告げる「春一番」という現象は、初めて吹く強い南風のこと。暖かい風が雨雲を運んできて、天気が大きく崩れることも珍しくありません。それに対して、夏の終わりに、秋の到来を告げる現象に、とくに名前を持つものはありません。「秋雨」は数週間程度のぐずつく時期といったニュアンスで、どちらかというと「梅雨」と対をなすイメージ。そこで「秋一番」があるとしたらどんなものか、絵を描きました。
「春一番」のように、季節を進めるのは雨や風。天気を崩す原因は低気圧であることが多く、低気圧は、夏の終わりから秋にも日本列島を通過してゆきます。台風から変わった「温帯低気圧」であれば影響は、台風並みに大きく、雨や風がひどければ、そのぶん季節は大きく前進します。
「秋一番」のステージは次の5つ。
❶まず、低気圧の通過で雨や風が強まったあと
❷天気が回復に向かうと同時に北風が冷気を運んできます。それまでとは少し違う青空の色に、秋を感じとるのもこのタイミングです。
❸気温が下がり、陽射しを受けても風が冷たい。
❹と思ったら、にわかにかき曇り、通り雨が! 上空を吹き抜ける寒気の仕業です。その雨雲が過ぎ去る。
❺雲ひとつない晴天。羽を伸ばしたような薄い雲が空一面を彩ることもあり「秋がきたな~」と実感する瞬間です。
この5つのステージを繰り返して、本格的な秋が訪れ、3か月もしないうちに、通り雨は、みぞれや雪に変わります。
テレビで、近畿(大阪発)、全国&地球(東京・千葉発)の天気予報を担当したあと、HTBの朝の情報番組(イチモニ!など)で18年間「お絵描き天気」を中心に気象情報を伝え2024年秋にテレビから引退。新潟県出身、北海道生活25年。