
いざ高齢者向け住宅に入居しようと考えた時、現状と将来像を見据えたうえで「どのような高齢者住宅を選ぶべきか」十分検討する必要があります。一概に高齢者住宅・施設といっても、その中身は千差万別で建物の外観だけでは「施設」なのか「住宅」なのかも見分けはつきません。国は制度を「病院・施設から在宅へ」とシフトし、「住宅」の代表である高齢者向け住宅は民間主導で急増しました。2011年10月から「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の制度ができ、もうすぐ丸10年が経とうとしています。一時のピークは過ぎたかもしれませんが、特に札幌市は全国でも際立って増加してきました。
現在「サ高住」は日本全国で約7,700棟(約26万戸)、北海道は約500棟(約2万戸)、札幌市は約250棟(約1万2000戸)が点在しています(国交省:2020年11月現在)。
そのほかにも代表的な高齢者向け住宅は、主に4類型(サ高住、住宅型有料老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、シニア向け賃貸住宅)に大別されます。
また一方「施設」の代表でもある特別養護老人ホームは2015年4月より入居条件が原則要介護3以上となり中重度者に限定され、入居のハードルは高く厳格化されました。よって「サ高住」も一部の自立型を除いては、義務付けられた安否確認や生活相談のみでは対応が困難な、介護度が重い方も受け入れざるをえなくなり、ただの住居としての機能だけではなく、介護保険サービス事業所が併設された「生活・介護・看護・医療支援」が一連一体となった包括的なケアが求められるようになっています。
現在の高齢者住宅、施設は、このように住宅の種類が多く複雑化していることや、施設のような画一的なサービス・設備ではないことで分かりにくいのが現状です。同時に施設や住宅では、慢性的な人手不足、年金とかかる費用とのミスマッチなど課題問題も山積みです。次回は、高齢者向け住宅の代表でもある「サ高住」について、その制度と現状についてさらに詳しくお話させていただきます。
一般社団法人シニアライフサポート協会
NPO法人札幌高齢者住まいサポートセンター
住宅事業部(札幌本部) 後藤 達也