
今回のテーマは「介護付き有料老人ホームの入居一時金」です。老人ホームのパンフレットや高齢者住宅セミナーに参加したら「入居一時金500万円」となるものがあることを知り、「一時金って?」とびっくりして相談サロンにお越しになる方も少なくありません。
出来るだけ簡潔に説明しますと、入居一時金=前払い家賃と言えます。前家賃期間は5年程(一時金としては数十万~数千万、合わせて年数5~15年迄とかなり幅があります。)
今回は例として「入居一時金600万円、5年償却」という住宅を想定します。家賃10万円、5年間分というのが入居一時金の家賃相当分。家賃10万×12か月×5年間分=600万円という単純計算で、最初にこの5年間分の家賃を先払いするというのが「入居一時金」の全貌です(最初に600万円である家賃相当分を払えば、入居後は家賃を払わなくてもいいというのが、前払い家賃の位置づけ)当然家賃分を払った5年間は家賃を払わなくていいというのはわかりますが、それがさらに6年目以降も続きます。
ここで「え??」となった方は、ここまでの話を良く理解して頂いた証拠です。入居一時金を設定している住宅の多くが、この例で言えば6年目以降は、全く家賃がかからないということになるのです。(ただし諸費用はかかります!)。ですので費用だけのことを考えれば、長く住めば家賃はずっとかからない=メリットと言えます。ただその反面、当然デメリットが生じるのは早期退去した場合です。例えば入居後、半年ほどで「入居後早期に病気で入院しそのまま戻れない」といったケースも少なくありません。その場合は入居一時金の約20~30%程度が初期償却されるなど、一部戻ってこない費用が発生します。
この入居一時金制度は有料老人ホームにしか見られない特殊な制度ゆえに非常に分かりにくいものです。過去には運営母体である親会社オーナーが多額の一時金を不当流用し、運営会社が倒産してしまうといった事件もありました。全ての介護付有料老人ホームで一時金が必要ということではありませんが、もし入居一時金が必要な老人ホームへ入居を検討される場合は、この制度を十分に理解すると同時に、老人ホームの運営会社情報も含めた検討が必要です。