

今回は『水曜どうでしょう祭』。「テレビ番組制作のウラ側に迫る」このコーナーですが、『水曜どうでしょう祭』の運営は普段テレビ番組を制作していないスタッフが中心になっているのです。
『水曜どうでしょう祭』は9月4日(金)から9月6日(日)に大和ハウスプレミストドーム(札幌市豊平区)で開かれます。
開催に向けて水面下で動き出したのは2024年の夏でした。目算は全くない時期でしたが、「水曜どうでしょう」放送開始から30年の節目となる2026年を一つのめどにして会場の検討を始めました。前回開催から7年。「どうでしょう軍団」は鈴井貴之64歳、ディレクター藤村忠寿61歳、ディレクター嬉野雅道67歳、4人中3人が還暦を過ぎ、最若手の大泉洋も53歳と齢を重ねています。出演者だけではなく、スタッフも「水曜どうでしょう」ファンも同じです。過去の祭では大雨と寒さに見舞われたこともあり、次回は天候に左右されず、安心して楽しんでいただくことを最優先し、大和ハウスプレミストドームと交渉に入りました。この時点でサッカーJリーグが2026年から秋春制移行を発表しており、会場の稼働スケジュールが見えない中、双方が可能性を模索することにしたのです。
交渉開始から1年以上が経過し、「水曜どうでしょう」新作のロケが決まり、会場スケジュールの調整もついたことから、4度目の『水曜どうでしょう祭』は正式に動き出します。ただ、ドーム開催は初めて。ゼロベースからのイベント構築になりますが、本番までに残された時間は1年を切っていました。
準備の中心は、「水曜どうでしょう」の藤村D、嬉野Dも所属しているHTBコンテンツビジネス局のコンテンツ事業部です。“コンテンツ”という名称がついていることから、いろいろなテレビ番組を作っている部署かと思われがちですが、テレビ番組制作は数年に1回の「水曜どうでしょう」新作ぐらい。テレビ放送とは関わりの薄いセクションなのです。
普段は「水曜どうでしょう」やonちゃんのDVD・グッズの製作販売をはじめ、テレビ番組制作セクションが作った放送コンテンツを系列局や配信会社に販売する仕事が中心です。道外ではステージイベントや物販をする『水曜どうでしょうキャラバン』、道内では『ここキャン北海道』というキャンプ催事などリアルイベントも数多く催しています。コンテンツ事業部スタッフが映像コンテンツを作る場合は放送ではなく配信用で、番組制作とは縁遠い人たちばかりなのです。こういったスタッフが『水曜どうでしょう祭』では、ステージのサイズ、飲食やショップのブース配置、会場案内パンフレットのデザイン、ステージイベント演出、グッズ製作などなど山のような仕事を抱えます。


3日間で4万人近くを集める大イベントですから、コンテンツ事業部以外のHTBスタッフもたくさん関わります。会場内のビジョンやライブ・ビューイングなどリアルタイムで映像を制作するのは、番組制作やテレビ中継車に慣れている制作部やスポーツ部、技術局のスタッフが、グッズ販売を含めたお金の管理は手練れの経理財務部スタッフが支えるなど、HTBほぼすべてのセクションから応援が入ります。
そして欠かせないのがボランティアのみなさんです。今回は3日間合計で延べ370人が参加してくれる予定です。ボランティアのみなさんはお客様の列整理や最後尾看板での案内、グッズ販売の商品説明やくじの賞品出し、縁日コーナーのお客さま対応などを担ってくれます。ボランティアの窓口となっているコンテンツ事業部の中川圭亮部員は「水曜どうでしょうDVDの内容などはHTBスタッフより詳しい。正確で楽しい商品説明をしてくれますし、ボランティアと来場者が水曜どうでしょうという共通の言語でつながっているのでコミュニケーションが円滑なのが何より頼もしい。ボランティアスタッフなしでは運営できません」と絶大の信頼を寄せています。
開催までおよそ半月。コンテンツ事業部の品田純部長は「おそらくイベントの一部は、決まらないまま、準備中のまま本番を迎えると思います。すべてが決まっていて準備通りに進むのは何とも水曜どうでしょうらしくないですよね。来場するみなさんも多少のハプニングには動じませんし、予定調和より喜んでくれると思います。番組開始30年となる節目に水曜どうでしょう軍団の旅はどこへ向かっていくのか? 本番では想像もつかないゴールを見せてくれるに違いありません」。準備不足に開き直っているのか、波乱の展開を期待する余裕すらあります。
さあ、みなさん、一生どうでしょうしましょう!
