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気持ちの良い風が吹く5月上旬。奥様と共に出迎えてくれたASA手稲・菊池正仁所長。顔をほころばせながら4月下旬にお孫さんが生まれたことを教えてくれた。
菊池さんは東京で生まれ、埼玉や九州地方を経て幼稚園の頃に北海道に住み始めた。父親は新聞販売店を営み、その過酷な業務を見て「この職業には絶対なりたくない!」と幼い時から思っていたという。高校を卒業後は元々関心の強かったITの専門学校に進学し、都心のど真ん中で大手のエンジニアとして働いた。このまま満員電車に揺られる日々が続くと思われた24歳の時、父親が病で倒れたという報せを受け、「このまま親孝行ができなくなるのでは」と新聞販売業を継ぐ決心をした。
子どもの頃には強い抵抗感があったこの仕事は、エンジニアとして終日屋内でモニターばかりに向き合う生活から大きく変わり、全てが新鮮さで溢れ、「エンジニアをしていたら知らないで終わった世界」だと話す。手稲の魅力の一つである豊かな自然は菊池さんの日々を彩り、毎朝の気温や天気、自然の香りで四季を体いっぱいに感じさせてくれる。近所の軽川では、こどもの日に合わせて鯉のぼりが気持ち良さそうに泳ぎ、桜と手稲山の残雪がコラボする。この光景はここでしか見られないと教えてくれた。
人との関わりを築けるのもこの仕事のやりがいだという。集金に赴くと、蜂の巣の撤去をお願いされたこともあるそうだ。町内会にも積極的に取り組み、子どもたちからは「ラジオ体操のおじさん」と親しまれる。菊池さんは「何か困りごとがあれば聞くだけ聞いてみてください」と声掛けをする優しさとその笑顔で、これからも老若男女問わず地域の人々に慕われ続けるだろう。
(文・写真/新開なつみ)

