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「明るく、元気に、前向きに。それがモットー。少し単純かな」と笑いながら話してくれたのは、ASA沼ノ端の三木康弘所長。苫小牧市の東側に位置する沼ノ端は、今年4月に稼働が始まった千歳市のラピダスの影響もあってか、高速や空港へのアクセスが良いことから、単身者の流入が増えているという。今後は世帯数が増えるとみて、静かに発展していくのではないかと期待を寄せている。販売店の周囲にも築浅の住宅が建ち並んでいた。
三木さんは旭川市の出身。旭川で地方紙の所長を務めた後、朝日新聞の販売業務に携わるようになった。慣れ親しんだ旭川から離れ、2011年に苫小牧で所長として新たなスタートを切った。農耕が中心の旭川から、工業地帯として栄える苫小牧へ移り、個人宅のみならず企業のもとに新聞を届けている。販売店に貼ってある配達エリアを示す地図には、大きな丸で囲まれた区域がある。何の印か尋ねると、「山手線の大きさだよ」と教えてくれた。山手線がすっぽり入っても余りある、その広大さに驚かずにはいられない。この範囲を配達するうえで欠かせないのは、何より従業員の存在だ。日頃の感謝を伝えるために、従業員の誕生日にはバースデーカードとQUOカードを贈っているという。一人一人が気持ちよく働ける環境作りに気を配る。
人との関係を大事にするのは、販売店の中だけにとどまらない。商店会や商工会、町内会に積極的に参加し、様々な業種の人々と協力し合って「沼フェス」や「沼ノ端神社祭典」を開催。地域おこしにも深く関わっている。苫小牧に移って14年。今では、地域の人々が大切な仲間になった。約30年にわたり新聞販売と向き合えたのも、人との出会いが支えになったという。「良い仲間に出会ってきたから続けられている。この業界は厳しさが増しているけど、力を合わせてやっていくよ」とモットーの通り、前向きな姿を見せてくれた。
三木さんのおすすめさんぽみちは「道の駅ウトナイ湖」。工業地帯として発展する一方で、自然の営みも体感できるのが沼ノ端の魅力だ。1991年にラムサール条約に登録された重要な湿地であるウトナイ湖を、食事をしながら眺められる。展望台に上ればウトナイ湖と周辺を一望できる。訪れた日には、紅葉が絨毯のように色づき、数羽の渡り鳥が湖面で羽を休めていた。
「明るく、元気に、前向きに」を日々心がけながら、自然と人間の暮らしが調和するこの土地で、人との繋がりを大切に地域とともに歩む三木さんの姿勢が心に残った。
(文・写真/新開なつみ)
