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今回の記者さんは能田英二さん。スポーツの担当が長い記者さんです。取材したのはちょうど甲子園で北海道勢が出場しているころ。能田記者は甲子園にいたので、オンラインで甲子園とつなぎました。
入社時期が秋、ということは中途採用ですか。
能田:そうなんです。大学を卒業してメディアで働きたいと思っていたのですがうまくいかず、光学機器メーカーで3年半働きましたが、やはりスポーツ報道にたずさわりたい気持ちが消えず、転職しました。作家の山際淳司さん、朝日新聞のスポーツ記者、西村欣也さんはあこがれでした。
昔からスポーツが好きだったのですか。
能田:小学校に入る前から高校野球が大好きでした。小さいころは「野球がうまいお兄ちゃんたち」という目線、自分も中学まで野球をやっていたので、同年代になると選手に嫉妬する。さすがに記者になってからは年間150試合くらい見るようになり、目が肥えて冷静に見られるようになりましたが。
今日も甲子園にいらっしゃいますね。甲子園は若い記者さんが行くものと思っていました。
能田:今回は自分が取材するのではなくてデスクや事務方として来ています。北海道のチームは別の記者が担当しています。かつて甲子園取材は地方の新人記者の登竜門でしたが、今は人手不足でベテランが担当することもあるんですよ。
ご自身も若い記者時代は甲子園に?
能田:初任地が北海道で、2年目に地元の代表チームについて行く担当として甲子園に行きました。2004年、駒大苫小牧の初優勝の年です。
なんと、それはラッキーというか、大変な年に当たりましたね。優勝は予想していましたか。
能田:いえいえ、全く。歴代の北海道勢よりは強そうだから2勝くらいはできるかな、くらいの考えでした。それが次々と勝ち進み、「これは自分の手には負えない」と、怖くなってきました。自分の準備の甘さを思い知らされました。ひょっとすると優勝するかもという段階になって、途中から記者が2名応援でかけつけました。最後は総勢5名ほどで取材するという極めて異例な事態です。北海道勢の初めての優勝ですから、当然ですよね。
どんな試合だったのでしょう。
能田:相手は愛媛の済美高校。スコアは13対10。「史上最高の打撃戦」と言われていて、真っ向勝負でお互いが打ちまくる、という試合でした。と、一般的なことは言えるんですが、実は試合の記憶がないんです。それほどパニック状態になっていたんですね。記者として、取材対象を過小評価しない、しっかりと準備をする、という教訓はこのときの経験があってこそです。
大リーグに行った田中将大投手はこの年はレギュラーではなかった?
能田:そうです。ベンチにも入っていませんでした。実はスタンドで田中選手に話を聞いています。周りから「彼は将来プロに行くから取材しておいた方がいいですよ」と言われたのは覚えていますが、当時は彼のことはあまりわかりませんでした。
プロ野球も多く取材しているようですが、北海道では北海道日本ハムファイターズに大谷翔平選手がいたころですよね。
能田:大谷選手の1年目と2年目です。
これまたラッキーですよね。当時は彼にどんな印象を持ちましたか。
能田:ふつうとは違っていましたね。「ああ、新しいタイプの野球選手が出てきたな」と感じました。
具体的にはどういうことですか。
能田:いろいろな野球選手を取材しましたが、本当に野球のことを考えている人だという印象です。彼の1年目のオフのときに単独インタビューができて、日曜版の「フロントランナー」に載りました。野球の練習が苦じゃない、常日頃からどうやったらうまくなるかを考えて、オフの日もiPadで野球の動画を見たりして、思いついたらすぐに練習します。周囲の評判を全く気にしません。二刀流に批判もあった頃、「言わせておけばいい」というようなことを言ってましたが、そこには「成功して見返してやる」というような意識は微塵もない。尊大な態度もなく、なんか超越してるんです。辛さを背負ったような感覚が全く無いんです。練習の時に、バットを折る選手が多いですが、彼は1本も折らない。ボールが芯に当たればバットは折れないんです。
プロ野球と高校野球では取材方法も違いますか。
能田:プロ野球は定点観測している面白さがあります。取材の蓄積も生かせます。高校野球は全く取材できていなかった高校を取り上げることもあり、予測がつきにくい。でも短期間で選手やチームが成長していく様を見ることもできるのが醍醐味です。
今日の甲子園も暑そうですが、「札幌ドーム」で高校野球はどうですか。
能田:私は大反対です。グラウンドが硬すぎて怪我を誘発します。元々野球場として作った施設ではないので、巻き取り式の人工芝を使わなくてはならず、クッションが足りなくプロでも危険だと思います。
高校野球の北海道大会も決勝はエスコンフィールドHOKKAIDOになりました。
能田:大リーグの球場に引けをとらないすばらしい球場です。最高の球場、と言ってもいいですね。高校野球の決勝で使われるのもすばらしいです。
福岡市出身。2002年秋、朝日新聞入社。北海道報道センター、宇都宮支局、東京スポーツ部、西部スポーツ部(ソフトバンク担当)、北海道報道センター(日ハム担当)、東京スポーツ部を経て、2020年4月から3度目の北海道勤務。昨年9月から遊軍担当デスク。