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新聞記者に聞いてみた vol.30

20年以上ぶりに故郷へ 念願の1人勤務

公開:2025年9月17日
新聞記者に聞いてみた
公開:2025年9月17日

画像:後藤記者が企画した「子どもと貧困」シリーズ(部分)※2015年10月15日付け大阪本社版紙面より。

 今回は北海道出身で、関西を中心とした20年以上の記者生活を経て北海道に赴任。この9月から1人勤務である釧路支局長となった記者さんをご紹介します。

− そもそも記者を目指したきっかけは?

後藤:実は父が新聞記者で、記者という仕事を身近に感じていたことがあります。学生時代はいろいろ迷って、役所の臨時職員やカメラマンをやっていた時代もあったんですが、やはり新聞記者になりたくなり、夜間の大学に入り直し、それから函館の地方紙に採用され、約2年半後に朝日新聞に移りました。

− 朝日での振り出しは甲府支局ですね。

後藤:函館での水産関係の取材が面白く、そのあたりを希望していたのですが、配属されたのが海のない山梨県でした(笑)。じゃあ、内水面漁業をやろうかと、特産品だった山梨県の真珠の話なども取材しました。湖で養殖した真珠を特産品にしようとしていたのですが、実はその真珠が茨城産だったことが分かり、特ダネとして書きました。そんなこともあって、1年間の研修の後、大阪社会部に異動となり、大阪府警担当になりました。府警担当の2年間は本当に忙しかったですね。

− もともと1人支局を希望されていたと聞きました。

後藤:父も滝川や稚内で1人勤務をしていて、警察から一次産業、地域のお祭りまで幅広く1人でなんでも取材するという仕事の仕方が「かっこいいな」と印象に残っていました。大阪府警担当のあと、希望して1人勤務の広島県の尾道に行かせてもらいました。2年弱勤務し、それから大阪の生活文化部というところに異動となりました。

− 生活文化部では主にどんな取材を?

後藤:子どもの教育格差や貧困が大きな課題になっていた時期です。「子どもと貧困」というシリーズを立ち上げ、親の収入や家庭環境が子どもの未来を制限してしまう現実を丁寧に掘り下げました。シリーズは大きな反響を呼び、社内外の賞もいただき、書籍にもなりました。さらに、子どもを守るという観点で、子どもの事故などを防ぐキャンペーン「小さないのち」のシリーズにも参加し、AED(自動体外式除細動器)がなかったために命を落とした子どもの事例や、窓から子どもが転落する危険などについて書き、大きな反響を得ました。

− その後また社会部に戻られたようですね。

後藤:はい。大阪社会部に戻り、河井克行元法務大臣の選挙違反事件等を担当しました。調査報道で徹底的に証言を掘り起こしました。取材チームのメンバーに恵まれ、最終的に30人以上から証言を得ることができました。「子どもと貧困」シリーズもそうだったのですが、チームで行う調査報道の醍醐味を感じました。

− デスクには就かれなかったのですね。

後藤:デスクを経験せずに最前線にいさせてもらうケースは少ないと思うのですが、新聞記者になった年齢が遅かったので、少しでも長く記者をやっていたいという気持ちが強く、できる限り現場を希望してきました。

− そして生まれ故郷の北海道に戻った訳ですね。北海道での担当は?

後藤:自民党や気象担当を経て直近の8月までは司法を担当しました。

− 9月から釧路ですね。これは希望されたのですか?

後藤:1人勤務をずっと希望していましたから、ようやく願いがかなったという気持ちですね。大阪本社時代は長く遊軍長を務め、最後は大阪府警キャップをしましたが、50歳の節目で生まれ故郷の北海道で記者をやりたいと思い、希望を出しました。今回は、釧路が空いていたので希望してかなえていただきました。

− 釧路が空いていた?

後藤:もちろん担当する記者はいたのですが、支局に常駐する記者がいませんでした。実は今度はいったん帯広の常駐記者がいなくなります。で、私は釧路に住みながら、帯広支局のエリアもカバーすることになります。

− そんなに広いエリアを1人で!

後藤:釧路に加えて十勝ですからかなり広いですよ。

− 漁業や水産以外に守備範囲が広そうです。

後藤:農業ももちろん入ってきますね。その他、釧路湿原のメガソーラー問題、阿寒のアイヌ文化、特別天然記念物のタンチョウなども関心があります。それから十勝管内ということで、足寄町出身の歌手・松山千春さんがいます。ベストセラーの自伝もあり、彼の人生にも興味あるんですよね。

− 面白そうですね。期待しています!

後藤 泰良(たいら)記者
2004年9月朝日新聞社入社。甲府総局、大阪社会部、尾道支局、大阪生活文化部、特別報道部、大阪生活文化部、大阪社会部を経て、2024年9月から北海道報道センター。今年9月から釧路支局長
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