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新聞記者に聞いてみた vol.26

デスクとしての1年、「現場」への思い

公開:2025年5月19日
新聞記者に聞いてみた

 今回は記者さんですが、職種は「デスク」という、原稿をチェック・修正したり、記事の方向性を考えたりする立場の方です。かつては文化部で演劇やテレビの現場を取材し、「天声人語」の補佐も経験。今はデスクとして、北海道に根ざした報道を支えています。これまでのキャリア、記者としての思い、そして北海道での仕事についてお話を伺いました。

Q. 現在の担当について教えてください。

江戸川: 2024年4月から北海道報道センター勤務で、現在は事件・事故・司法を主に担当するデスクとして働いています。取材現場に直接出ることはありませんが、記者たちの原稿を見たり、企画をいっしょに考えたり、ということをサポートしています。

Q. 自分では取材に出ないんですね。

江戸川: そうなんです。上がってきた面白い原稿を読むたびに、ちょっとした嫉妬を覚えることもあります。あるいは、「自分だったらこう書くかも」とか、「この視点はすごいな」とか、日々思うところは多いです。現場に出られないのはもどかしく感じることもありますけど。

Q. 東京本社時代はテレビ業界を担当していたそうですね。

江戸川: 東京本社の文化くらし報道部で3年半、演劇やテレビの取材をしていました。まさに話題となっているフジテレビを担当していたので、今起こっていることは非常に興味深いです。当時からガバナンスの問題は何かとささやかれていましたので。

Q. テレビ局の担当って、どんな取材をするのでしょう?

江戸川: 番組やタレントの人気の背景を、社会の空気と結びつけて分析することを意識していました。たとえば、渡辺直美さんの人気について、「見た目の価値観からの解放」という社会的な変化を感じ取り、それを記事にしました。

Q. なるほど。そういうことですね。肩書きに「天声人語」の補佐、とあったのがとても気になりました。どんな仕事なのですか。

江戸川: 私が担当していたときは天声人語の筆者は2人いたのですが、1年間、その補佐をしていました。毎日2人が書く原稿を読んで、わかりにくい部分がないかを指摘したり、資料を集めたり、ネタを探したり。

Q. 天声人語の筆者といえば、かなりの重鎮ではないですか!?

江戸川: もちろんです。だから最初はすごく緊張しました。でも表現が甘いと感じれば遠慮なく指摘もします。とても貴重な経験でした。

Q. 昔の話に戻りますが、そもそもなぜ新聞記者を志したのですか?

江戸川: 子どものころから落ち着きがなくて、同じことを毎日続けるのが苦手だったんです。毎日違う現場へ行って、新しい発見がある仕事がしたいと考え、自然と記者という職業にたどり着きました。

Q. 社会部時代は「遊軍」だったと聞きました。

江戸川: はい。自分でテーマを探して、興味の赴くままに取材ができるという、まさに私にぴったりの仕事でしたね。こんなに楽しい仕事があるのか、というほど大好きでした。

Q. 北海道勤務は初めてとのこと。いかがですか?

江戸川: 神奈川県鎌倉市出身で、太平洋側で育ったので、雪がとにかく新鮮です。雪が降るたびにワクワクして、写真を撮ったり、初めての雪原に足跡をつけたり。道民には「まだ甘い」と言われるかもしれませんが(笑)、今のところ楽しんでいます。

Q. 最近取り組んでいる企画について教えてください。

江戸川: 「知床観光船事故から3年」の特集を担当しました。発生当時は社会部で記事を書き、北海道に来てからは担当デスクとして追悼取材にも関わりました。再発防止の視点を含めて、継続的に伝えていきたいテーマです。

 また、ゴールデンウィークにあわせて「桜」にまつわる連載企画も進行中です。各地の記者が取材を重ねていて、「桜と名付けられた乳牛」の話など、心温まる切り口が揃っています。

Q. 今後の新聞社でのキャリアで考えていることはありますか?

江戸川: 特定の分野を持たず、日々の出来事の中に切り口を見つけて書くのが好きです。デスクとしては企画を立てて、誰かと協力しながら形にしていく作業は、とてもやりがいがありますね。記者のみなさんからアイデアがどんどん集まってきて、すごくうれしくて、楽しいんです。

ぜひ連載読ませていただきます。ありがとうございました!

江戸川夏樹 記者(デスク)
2006年入社。広島総局、京都総局、大阪本社編集センター、東京本社文化くらし報道部、福島総局などを経て、2019年より社会部所属。天声人語補佐を経験し、2024年4月より北海道報道センター勤務。事件・事故・司法を担当するデスクとして活躍中。
※このページの内容、執筆者の肩書きなどは執筆当時のものです
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください

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