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今回は記者さんですが、職種は「デスク」という、原稿をチェック・修正したり、記事の方向性を考えたりする立場の方です。かつては文化部で演劇やテレビの現場を取材し、「天声人語」の補佐も経験。今はデスクとして、北海道に根ざした報道を支えています。これまでのキャリア、記者としての思い、そして北海道での仕事についてお話を伺いました。
Q. 現在の担当について教えてください。
江戸川: 2024年4月から北海道報道センター勤務で、現在は事件・事故・司法を主に担当するデスクとして働いています。取材現場に直接出ることはありませんが、記者たちの原稿を見たり、企画をいっしょに考えたり、ということをサポートしています。
Q. 自分では取材に出ないんですね。
江戸川: そうなんです。上がってきた面白い原稿を読むたびに、ちょっとした嫉妬を覚えることもあります。あるいは、「自分だったらこう書くかも」とか、「この視点はすごいな」とか、日々思うところは多いです。現場に出られないのはもどかしく感じることもありますけど。
Q. 東京本社時代はテレビ業界を担当していたそうですね。
江戸川: 東京本社の文化くらし報道部で3年半、演劇やテレビの取材をしていました。まさに話題となっているフジテレビを担当していたので、今起こっていることは非常に興味深いです。当時からガバナンスの問題は何かとささやかれていましたので。
Q. テレビ局の担当って、どんな取材をするのでしょう?
江戸川: 番組やタレントの人気の背景を、社会の空気と結びつけて分析することを意識していました。たとえば、渡辺直美さんの人気について、「見た目の価値観からの解放」という社会的な変化を感じ取り、それを記事にしました。
Q. なるほど。そういうことですね。肩書きに「天声人語」の補佐、とあったのがとても気になりました。どんな仕事なのですか。
江戸川: 私が担当していたときは天声人語の筆者は2人いたのですが、1年間、その補佐をしていました。毎日2人が書く原稿を読んで、わかりにくい部分がないかを指摘したり、資料を集めたり、ネタを探したり。
Q. 天声人語の筆者といえば、かなりの重鎮ではないですか!?
江戸川: もちろんです。だから最初はすごく緊張しました。でも表現が甘いと感じれば遠慮なく指摘もします。とても貴重な経験でした。
Q. 昔の話に戻りますが、そもそもなぜ新聞記者を志したのですか?
江戸川: 子どものころから落ち着きがなくて、同じことを毎日続けるのが苦手だったんです。毎日違う現場へ行って、新しい発見がある仕事がしたいと考え、自然と記者という職業にたどり着きました。
Q. 社会部時代は「遊軍」だったと聞きました。
江戸川: はい。自分でテーマを探して、興味の赴くままに取材ができるという、まさに私にぴったりの仕事でしたね。こんなに楽しい仕事があるのか、というほど大好きでした。
Q. 北海道勤務は初めてとのこと。いかがですか?
江戸川: 神奈川県鎌倉市出身で、太平洋側で育ったので、雪がとにかく新鮮です。雪が降るたびにワクワクして、写真を撮ったり、初めての雪原に足跡をつけたり。道民には「まだ甘い」と言われるかもしれませんが(笑)、今のところ楽しんでいます。
Q. 最近取り組んでいる企画について教えてください。
江戸川: 「知床観光船事故から3年」の特集を担当しました。発生当時は社会部で記事を書き、北海道に来てからは担当デスクとして追悼取材にも関わりました。再発防止の視点を含めて、継続的に伝えていきたいテーマです。
また、ゴールデンウィークにあわせて「桜」にまつわる連載企画も進行中です。各地の記者が取材を重ねていて、「桜と名付けられた乳牛」の話など、心温まる切り口が揃っています。
Q. 今後の新聞社でのキャリアで考えていることはありますか?
江戸川: 特定の分野を持たず、日々の出来事の中に切り口を見つけて書くのが好きです。デスクとしては企画を立てて、誰かと協力しながら形にしていく作業は、とてもやりがいがありますね。記者のみなさんからアイデアがどんどん集まってきて、すごくうれしくて、楽しいんです。
ぜひ連載読ませていただきます。ありがとうございました!
2006年入社。広島総局、京都総局、大阪本社編集センター、東京本社文化くらし報道部、福島総局などを経て、2019年より社会部所属。天声人語補佐を経験し、2024年4月より北海道報道センター勤務。事件・事故・司法を担当するデスクとして活躍中。