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新聞記者に聞いてみた vol.22

朝の焼き立てパンの香りがするような記事を

公開:2025年1月20日
新聞記者に聞いてみた
公開:2025年1月20日
鈴木記者の担当した今年元旦の連載記事。

今回の記者さんは北海道報道センターの最若手、鈴木優香記者です。といっても入社3年目。北海道には1年目、2年目の記者さんがいないのですね。

 早速ストレートにお聞きします。なぜ新聞記者になろうと思ったのですか。

鈴木:高校2年のときに学校のプログラムでベトナムに行きました。事前の学習で少数民族に対して政府が教育をサポートしているということを知りました。実際に村に行ってみると、政府の教育のせいでよい仕事が見つかるようになり、若者はみんな村を出て行って年寄りばかりになった、という話を聞きました。当事者から聞くと全く違ったものが見えてくる、メディアの情報は限られている、ということを思い知りました。

 実際に自分もメディアに関わりたい、と?

鈴木:そろそろ大学受験を考えなければいけない時期になり、通っていた塾の先生から、大学も周りに流されるのではなく、どんな大人になりたいかを考えて決めろ、というようなことを言われました。

 モデルとなる大人がいたのですか。

鈴木:中学生のときからNHKの「クローズアップ現代」をよく見ていて、当時のキャスターが国谷裕子さん。自分でも取材し、英語も使いこなし、中学生の自分にも分かりやすく説明してくれる憧れの存在でした。すごくかっこよく思え、メディアやジャーナリズムに対する興味がわき、上智大学の新聞学科に進学しました。講師として朝日新聞の方がよく来ていて、キャスターもいいけど、新聞記者も面白そうだと思いました。

 普段はどんな取材をしているのでしょう。

鈴木:警察を担当しているので、週に2~3回は北海道警記者クラブに行きます。警察担当は3人いるので、融通しながら、自分のやりたい取材などは時間を見つけてやっています。

 最近気になっているテーマはありますか。

鈴木:今年の正月の連載企画で、北海道に住む外国人を取材するシリーズは私が個人的に企画していたものが採用してもらえた形でした。元々異国で暮らしている人たちに興味があったのです。

 それはなぜでしょう?

鈴木:自分自身が家族の仕事の関係で、生まれたのがアルゼンチンです。2歳半までしかいなかったので当時の記憶はないのですが、その後中学生の時にはアメリカのオハイオ州で3年間暮らしました。大学の時は留学で約8カ月間アルゼンチンに行きました。その前に日本では大手コーヒーチェーンでアルバイトをしていてコーヒー豆の説明などをしていたのですが「何も知らないのにしゃべっていいのだろうか」と思っていました。実際の現場が見たくなり、留学終了後、復学する前に中米のエルサルバドルに行き、2カ月間コーヒー農場のインターンを体験しました。作り手たちの苦労を実感することができました。それ以降、日本のコーヒーの値段も高いとは思わなくなりました。自分の国を出て初めて、自国のことも分かるようになると思います。

 やはり実際に見てみたい欲求が強いのですね。北海道は初めてですか?

鈴木:実は学生のとき、ボランティアで遠軽町にある農場にいたことがあります。その方には北海道に赴任してからも会いに行きました。

 農業にも興味があるのですか。

鈴木:食べることが好きなので、おいしい食の現場は取材してみたいです。「命をいただく」ということに興味があり、家畜を育てている人たちの命との向き合い方も取材していきたいです。

 SNSも担当していると聞きました。

鈴木:2024年11月に始めたばかりのインスタグラムを担当しています。投稿は私1人がやっていますが、内容は社内で相談して決めています。「なんかいいな」という写真を、普段は新聞を読んでいない人にもシェアしたい。「堅いイメージだったけど、こんなにやわらかい話も書いているんだ」と、身近に感じてもらえたらと思っています。

 堅いと言うか、見ていて辛くなるようなニュースも最近は多いですね。

鈴木:そんな話でも絶対に伝え続けていかないといけないこともあるし、話を聞き出すのが難しいものはニュースとしての価値も高いと思います。前任地の大先輩に「朝の焼きたてのパンの香りがするような記事を」と言われたのが心に残っています。誰が読んでもどこか心温まる、なんだかちょっといいな、とその一日を良い気分で過ごせるようになる、そんな記事も書きたいです。地方の取材現場では、過疎化が激しく進む町でも元気が出るような明るい話もあるし、この人素敵だな、この取り組みいいな、と思うものもあふれています。

 将来はどんな専門分野を考えていますか?

鈴木:自身も異国に身を置き、日本を見つめ直したいので、ずばり特派員をやりたいと思っています。それも、縁のある南米で取材したいです。

 サンパウロ発、鈴木さんの署名を見るのを楽しみにしています!

鈴木優香 記者 
東京都出身。2022年朝日新聞社入社。西部報道センター(福岡)を経て、24年4月より北海道報道センター勤務。現在、警察担当。事件事故や、夏は高校野球を担当。
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