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北海道東川町に全国の高校生が集まり、写真部日本一を決める全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園」を7月29日の開会から閉会まで、4日間にわたって密着取材した。
518校から「予選」を勝ち抜いた18校が参加。機材や撮影地をそろえて、同一条件下で、各校が3人1組で競い合う。その熱戦を以前から、ぜひ取材したいと思っていた。
というのも、今年4月に北海道へ異動してくる前から、あちこちで写真甲子園のことを耳に挟んでいたからだ。ある写真展の審査会場で、休憩時間に一流写真家たちが写真甲子園について、異常に盛り上がっていた。「作品レベルが本当に高いし、地元の歓迎ぶりにも感動する」と、その場で強く取材を勧められた。
高校生写真コンテストの審査会場で、東川町から審査員として参加していた方から話を聞く機会もあった。写真甲子園に選手として出場後、大学でもサポーターとして関わり、卒業後には移住してしまったという。人生を変えるほどの魅力を持つとは、一体どんな大会なのか。

実際に取材して、まず圧倒されるのは選手たちの熱量の高さだった。各校3人だけの出場選手は、北海道に来られなかった部員たちの思いも背負っている。多くの選手がユニフォーム代わりの公式Tシャツに仲間からの寄せ書きをまとっていた。沖縄から出場していた県立真和志高校は、「予選」を通過できなかった県内のライバル校が、写真甲子園の事前対策シミュレーションに協力してくれたという。
撮影には制限時間があるため、選手たちは機材を抱えて、起伏のある田園地帯を必死に走り回る。「怒られないかな」と心配しながらも、初めて出会う、見知らぬ人にポーズをつけての撮影をお願いする。撮影を断られても、落ち込む暇もなく、次の被写体を探す。
指定撮影エリアには、巡回バスが運行していたが、撮影時間を少しでも長く確保するために、あえてバスに乗らず、ダッシュで移動する選手もいた。思い通りの撮影ができず、移動中のバスで号泣する選手もいたという。少しでも時間があれば、撮影した写真をお互いに確認しながら、最終的にどんな作品を目指すのか、ミーティングを繰り返すチームも多かった。
「写真の町」を掲げるだけに、迎える側の東川町の熱意も想像以上だった。イベント会社に頼らず、町職員総出で住民たちやボランティアと、この大規模な大会を自分たちで作り上げていた。宿泊や移動、食事の手配、撮影地での事前折衝など、ロジの大変さは想像が出来ないほどだと思う。菊地伸町長は「(写真甲子園は)32回もやってきて、町に根付いている。全国の高校生を応援しようと、町民も楽しみにしている」
来年はどんな切り口で取材しようか、もうすでに考え始めている。
