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新聞記者になって18年経つが、ここまで読者と密にやり取りした経験はなかった。紙面購読者を対象に開催している「朝日新聞デジタル体験会」に11月25日、記者として初めて登壇した時のことだ。
当日は朝から路上が凍結する悪条件にもかかわらず、札幌市内の会場に午前・午後合わせて15人が参加してくれた。
体験会の副題が「取材の裏話」だったので、わたしが関わってきた森友学園問題や財務省の公文書改ざん問題について「ぎりぎり」までお話をさせていただいた。
わたしが調査報道の話に触れたのは、理由が二つある。まずは調査報道での取材経験が、デジタル向け企画の制作に大きく役立っているからだ。
調査報道の取材は常にしんどく、そして常に充実感がある。誰も知らない事象を深掘りしていき、それを世に報じることができる。取材を進めていく中で、当初は想定していなかったことが起こる。
そういった過程を詳しく伝えることで、読者に追体験してもらうデジタル企画をいくつか紹介させてもらった。スペースが限られている紙面では、できない企画だ。記事に加えて、動画や音声を駆使できるデジタルならではのコンテンツでもある。
もうひとつの理由が、調査報道は紙面購読者がいるからこそ成り立つことだ。場合によっては数カ月、1年以上に及ぶ取材を続けていくには、紙面を定期購読して支えてくれる読者の存在なくしては成り立たない。体験会という場をお借りして、直接お礼を言いたかった。
その思いはそれなりに伝わったのか、参加者からは励ましの声をたくさんいただいた。「記事になるまでのいろんな苦労や裏側が知れて、これから記事を見る目が変わった」との感想もいただいた。当たり前のことだが、読者あっての報道機関との思いを強くした。
朝日新聞北海道報道センターデスク 岡戸 佑樹