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北の記者席から vol.29
北の記者席から

VOL.29甘すぎる教育現場の情報管理

今月の執筆者|朝日新聞北海道支社報道センター 次長  姫野直行
公開:2024年8月20日

  X(旧ツイッター)のある投稿がものすごいスピードで拡散されていた。6月5日、札幌市立中学校で教員が紛失した生徒の個人情報が書かれた資料とみられる画像だった。流出してしまった情報の広がる速さに恐ろしさを感じた。もとの投稿は札幌市が要請して翌日には削除されたが、約2千万回閲覧され、転載した投稿も確認された。

 道内の教育現場での個人情報流出が後を絶たない。今年度、公表されているものだけでも複数あった。冒頭の札幌市立中学の事案のほか、別の同市立中学で教卓に資料が放置された事案があり、十勝地方の道立高校では資料がトイレの前のイスに置かれ、一時生徒が閲覧できる状態だった事案もあった。積丹町立小学校では教員が児童の個人情報を含んだUSBメモリーを持ち出して紛失した。

 札幌市教委では「情報セキュリティー実施手順」を作成し、個人情報を管理している。機密性の高い資料は、校長や教頭など管理者の許可なく職員室以外に持ち出してはならないとされている。許可する場合は、名前を黒塗りにするなど個人情報が分からないようにする必要がある。

 Xに画像が流出した事案では、中学校教員は資料を持ち出す許可などは得ていなかった。積丹町の小学校教員も許可を得ずUSBメモリーを自宅に持ち帰っていた。個人情報流出は信用失墜や経済的損失につながる。流出対策を徹底する民間企業などでは考えられない情報管理の甘さだと言わざるを得ない。

 流出した資料には生徒のセンシティブな情報も含まれていた。インターネット上に流出した情報は、すべてを消すことは難しい。子どもが安心して通える場であるべき学校から生徒・児童の個人情報が流出することなどあってはならない。教育現場では情報管理を改めて徹底し、子どもの個人情報を扱う教員の意識を変えてもらいたい。

執筆者
朝日新聞北海道支社 報道センター次長  姫野 直行

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