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北の記者席から vol.24
北の記者席から

VOL.24豊頃町の挑戦を見守りたい

今月の執筆者|朝日新聞北海道報道センター 記者 佐藤亜季
公開:2024年3月19日
町で唯一のスーパー閉店後にオープンしたセイコーマート
町で唯一のスーパー閉店後にオープンしたセイコーマート。店内にはコミュニティーバスの待合所や イートインコーナーもあり、住民が集う場所にもなっている

 豊頃町を昨年12月中旬に初めて訪れた。目的は、町で唯一のスーパーが閉店したのちに、町の要請を受けてセイコーマートが出店したことを取材するためだ。

 この店は、唯一のスーパー閉店から1年半後の2020年12月にオープンした。スーパー閉店後、買い物ができる場所を求める住民の要望をかなえるため、町は奔走したが、採算がとれないとされてテナント探しは難航した。町が最後に頼ったのが、セイコーマート。セイコーマートは採算が難しい地域にも積極的に出店してきた。地域の人々の生活を可能な範囲で支えることが、北海道の一次産品の生産を持続可能なものにし、北海道を地盤にするセイコーマート自体の事業を維持できるとの考えが根底にあるからだ。

 取材に行った日。店には、高齢者や赤ちゃんをだっこしたママなど客がたえず入っていた。店の前にはキッチンカーもとまり、住民が行き交う「交差点」のようになっていた。

 ふだん、記事を書く際に「人口減少」とよく使うが、実際のところを知らなかったと思った。豊頃町は、ピークには1万人を超える人口がいたが、高度経済成長期前から人口減が続いている。人口は現在3千人を割った。

 こうしたなか、町は子育て支援に力を入れる。子どもは「町の宝」「未来を支える宝」という位置づけだ。出産祝い金のほか、1~6歳の誕生日に毎年10万円の支給、町内の保育園通所で月5千円の支給など手厚い。私自身も1歳9カ月の男児がいるので、感激し、できることなら移住したいと思った。

 町は子育て支援以外にも、町内に高校がなく、雇用の受け皿も十分ではないため、町外への通勤や通学の助成も行う。それでも、人口減は続く。だが、町は、あきらめない。人口減に対して「打つ手無し」ではなく、みなで考えるのが重要だとする。町の挑戦を見守っていきたい。

朝日新聞北海道報道センター記者 佐藤 亜季
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