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北の記者席から vol.51
北の記者席から

VOL.51これからも、赤黒とともに

今月の執筆者|朝日新聞北海道報道センター 記者 大瀧哲彰
公開:2026年5月18日
「不屈の漢」と呼ばれ、昨季で引退した深井一希選手を胴上げ する選手たち
「不屈の漢」と呼ばれ、昨季で引退した深井一希選手を胴上げ する選手たち

「WE ARE SAPPORO!」。大和ハウスプレミストドームのゴール裏を埋めるサポーターによる大コールは、何度聞いても胸が熱くなる。北海道に生まれたことを、この地で育ったことを、そしてコンサドーレに出会えたことを、心から誇りに思える。

 北海道コンサドーレ札幌は、今年でクラブ創設30周年を迎えた。チームカラーの赤黒をまといたたかう姿は、サッカーを愛する多くの道民に、少年少女たちに、夢を与え続けた。かくいう私も、その一人だ。

 小学2年でサッカーを始め、コンサドーレのサポーターになった。母親や兄とともに、できたばかりの札幌ドーム(当時)で試合を見ては、ピッチ上の選手たちを全力で鼓舞するサポーターたちの姿に驚いた。

 当時のコンサドーレは、J1とJ2を行ったり来たり。決して「強い」チームではなかった。でも、サッカーをする子どもたちにとって、身近なプロサッカーチームがあることはうれしい。応援したくなる。憧れる。

 就職し、初めて道外に暮らした。広島や大阪で働いた。サッカー観戦からは離れていたが、久しぶりに見たアウェーでのコンサドーレの試合で、北海道から飛行機に乗って応援に来るサポーターたちの多さに衝撃を受けた。

昨季のホーム最終戦を終え、選手たちに拍手を送るゴール裏の サポーターたち
昨季のホーム最終戦を終え、選手たちに拍手を送るゴール裏の サポーターたち

 『行け札幌 勝利信じ 最後までたたかえ』と、アウェーの地で響かせる大音量の歌声には、他クラブのサポーターからも驚きの声が上がっていた。それを聞いて、本州で暮らす「道産子」の私は、ちょっとだけ誇らしくなったのだ。

 やっぱり自分は、このクラブが好きだ。このサポーターたちが好きだ。赤黒という誇りを胸に、アウェー観戦を繰り返した。

 昨年9月、転勤で札幌に着任した。コンサドーレは9年ぶりのJ2で苦戦していた。勝てない日々は、ストレスがたまる。結果は20チーム中12位だった。

 だが、ドームを埋めるサポーターたちは、決して下を向かない。勝利とともに上げる「WE ARE SAPPORO!」のコールを響かせるために。

 30周年を迎えた4月16日。クラブからはこんなメッセージが出された。        

 《勝った日も、負けた日も。うれしい日も、悔しい日も。
 そのすべてを、皆さまとともに積み上げてきました。
 支えてくれたすべての人へ、心からの感謝とリスペクトを。
 そしてこれからも、北海道の未来を想い、夢をつないでいきます。》

 いま、昇降格のない「百年構想リーグ」で争うコンサドーレは、再び苦しい状況が続いている。でも、そんな時こそ、全力でたたかい続ける選手たちとクラブにリスペクトを――。

 ドームを埋めるサポーターの一人である私は、こう言いたい。

 これからも、赤黒とともに。

北海道報道センター記者 大瀧哲彰
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