作:かたやまじゅんいち 絵:しまざきふうか(冬春創社)
登場する地域:空知地方

にがみやうまみのある「ボクら」って誰?
「あまくてとってもだいすき」な「ぼくら」って誰?
「ゆき」が降る「ふゆ」で想像するのはどこ?――。
「絵本は子どもが読む本」「ひらがなや言葉を覚えるために読んだ」「展開が急だが、その隙間を想像して楽しむもの」。高校生に「絵本」の印象を聞くと、おおよそこのような答えが返ってきた。授業でこの絵本の文章だけを読んでもらうと、生徒が想像する景色や地名、名物はバラバラ。その後、絵と文章で見せると、「ボクら」や「ぼくら」、「あまい」がこの本で何を指すか、共通認識ができたところで、生徒は個々の経験と想像力の違いを体感していた。二段階で作品を楽しめる点や、読む人によって解釈の違いが生まれる点が、この絵本の良さであると感じる。
「そらちむらのだいぼうけん」は、空知管内が舞台の絵本。空知を知る人には自慢の景色や名物が浮かび、魅力を再認識できる。知らない人でも、自分の故郷と何かが重なって懐かしさを感じられるはず。生徒の大半が「絵本の世界は北海道」だと言うほど、北海道を想起する言葉がちりばめられていて、道民ならきっと親近感も湧く。
年齢を重ねるほど、想像する世界が広がる――大人にもぜひ読んでほしい一冊である。