伊科田海(集英社)
登場する地域:北見市

本作は北海道北見市を舞台に、東京から転校してきた高校生・四季翼と、地元のギャル・冬木美波との心温まる交流を描いたラブコメディだ。作中では実際の北見市の風景が多数登場し、地域に根ざした作品としての魅力が際立っていると考える。例えば、地元の高校生たちの憩いの場として描かれる「北見駅」や、「北見芸術文化ホール」など、現地を知る人には馴染み深い場所が随所に登場する。さらに、北見市のゆるきゃら「ミントくん・ペッパーちゃん」が雪像で出てきたり、「ソフトカツゲン」や「やきそば弁当」など北海道ならではの飲食物が登場したりと、物語に北海道の空気感を添えている。
本作はアニメ化もされており、ファンの間では聖地巡礼も盛んである。実際に北見市を訪れ、作中の風景と同じ場所を写真に収める人も多い。私も仕事で北見に行った際には、駅構内に大きな宣伝パネルがあって、北見市も本作を地域PRに活用しているのではないかと感じた。
物語の中心にいる冬木美波は、方言まじりで明るく人懐っこい道産子ギャル。北見の寒さをものともせずにミニスカートで登校するという大胆なスタイルが印象的だが、その明るさと人懐っこさが寒さ以上に人の心を温めてくれる存在として描かれている。
北見市という<寒さ>を強く感じる場所を舞台にしながら、そこで育まれる<あたたかさ>を丁寧に描いた本作は、青春ラブコメとしても、地域密着型作品としても非常に完成度が高いと感じている。